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創造性を知る

営業前線ストーリー

Project Story 3責務の遂行に一途

先人たちの周到な準備に助けられ、
みるみる拡大する需要に応えて
アジアの大国のインフラ整備に貢献。

じん亭 諭Jintei Satoshi

電子部品事業本部 営業部 光部品グループ
経済学部卒
2002年入社

ICT(情報通信技術)の進化の速度はすさまじく、電子部品業界は常に目まぐるしい変化への対応を求められている。日本電気硝子でも、ITバブルと言われた2000年頃に電子部品の受注が月単位で倍々ゲームとなり増産を重ねたことなど記憶に新しい。この分野における営業部門の役割は、最終製品の市場動向を見据えながら製造部門と連携して顧客に対する供給責任を果たし、win-winの結果へと導くことにある。じん亭は、先輩たちが台湾・中国市場の急激な拡大を予想して数年以上前から製品開発と生産体制整備を進めてきた光通信関連製品の一つ“球レンズキャップ”の営業を担当。需要ピーク期に向けて川上・川下のメーカーとのネットワークを構築し、リアルタイムの情報をもとに供給をコントロールして、最善の成果を築き上げるという離れ業に挑んだ。

需要のピークまで残り1

6年も前から始動していたプロジェクト。
締めくくりの大役を担い、いざ台湾へ。

じん亭は、2015年春、担当替えの辞令を受けた。新たに担当する球レンズキャップは、ONU(光回線終端装置)に使われる。光ファイバーの通信回線を利用する際には、光信号と電気信号を双方向に変換するONUが欠かせない。球レンズキャップ は、球レンズを金属の鏡筒内部に低融点ガラスで封着したもので、納品先はこれとフォトダイオード、金属のキャップ、ステムなどをTO-CANと呼ばれるモジュールに組み立てる。これをさらに高次にモジュール化したものが、ONUの最も重要なキーデバイスとして信号の変換を担う光トランシーバーだ。
球レンズキャップには極めて高い精度が求められる。日本電気硝子は全くゼロからの挑戦で高精度加工の技術を確立。国内におけるONU普及の最盛期、部品供給の一翼を担った。そのさなかの2009年ごろ、近い将来、台湾・中国においてONU市場が一気に立ち上がることを予測。その市場を制するため、製造・技術・営業各部門から若き精鋭三人を集めてプロジェクトを始動させた。じん亭の上司は、そのうちの一人だった。
電子部品は大半が顧客の特殊な要望に応えるカスタム品だ。球レンズキャップも例外ではなかったが、若い三人は、爆発的に膨らむ需要に応えるためにはカスタム対応を捨て、品種を絞って標準仕様とすることで短納期・低価格を実現すべきだと判断。市場の要望を分析・選択して、困難とされる標準化を成し遂げた。一方で、製造プロセスも徹底的な合理化を図り、生産体制を整えていった。こうしてついに、まず台湾で需要に火がついた。管理職となっていた上司は、プロジェクトのいわばアンカーとも言える役割をじん亭に託した。

需要のピークまで残り6か月

部品供給から最終製品の出荷へと至る
時間的に全くムダのない流れづくりに奔走。

「お約束できるのは3か月後で、数もこれだけです」「そんなことはないはずだ。もっと誠意を見せてくれ」。初訪問した台湾の顧客のもとでそんな押し問答を続けながら、じん亭は、説得材料の不足に歯噛みしていた。先人たちが周到に用意してくれた日本電気硝子の供給体制が、他の部品メーカーに劣っているはずはない。他の部品が揃わなければ、球レンズキャップを納めても在庫となって眠ってしまう。大切なのはサプライチェーン全体を最も効率よく機能させ、ONUのメーカーに市場が飽和するまでに1台でも多くのONUを作ってもらうことだ。在庫を抱えることはどの部品メーカーにとってもプラスにはならない。しかし、裏づけもなく「納めても在庫になるだけでしょう」とは切り出せない。延々12時間も続いた膝詰めの納期交渉は、じん亭に、今後やるべきことを教えてくれた。
その後の行動は素早かった。川下に当たるONUのメーカーはもちろん、日本電気硝子と同じ川上に位置するフォトダイオードやキャップ、ステムなどのメーカーを次々に訪問。人脈を築き、情報を共有して、モノの流れを調整することに奔走した。他の部品が揃う顧客にはどんなに無理をしても供給責任を果たす。一方、他の部品や生産能力が不足しているのに納品を求める顧客には、理を説いて理解を求めた。

需要のピークに突入してから2

市場の生の情報で需要予測を精緻化し、
経営判断を促して供給責任を果たし切る。

やがて市場は台湾から中国へと広がり、2016年、需要はピークを迎えた。ピーク期は長く、じん亭は、月のほぼ半分を海外で過ごし、市場の要望に向き合い続けた。さらに、自らの足で今後の需要も調べ始めた。「市場レポートが正しいとは限らない。本当の答えを見つけたい」。その一心で情報を集め、市場全体や情報トラフィックの伸びを詳しく予測して、生産の増強が利益を拡大させることを実証してみせた。すぐに経営判断が下り、増産が実現。顧客の信頼は深まった。「じん亭さんに頼んでおけば安心だ。在庫を抱えなくても、タイムリーに納品してくれる」。最初は思い通りにならない納期交渉に苛立っていた顧客がこういって喜ぶ様子に、それまでの苦労は大きく報われた。
ONUが広く行きわたるに従い、予想通り、製品需要の過熱は落ち着いていった。目を上げればそこに、光通信網が普及し、大きく進化したアジアの大国の姿があった。
今、じん亭の胸を去来するのは、長期的視野に立ち、このような壮大なビジネスを用意してくれた社内の先人たちへの感謝の思いだ。自分も同じように、次代に引き継ぐビジネスを創出しなければならない。そこでも、このプロジェクトで培った人脈が大きく活かせるに違いない。