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創造性を知る

設備開発ストーリー

Project Story 2作業の自動化に一途

極めて難しい課題を短期間で克服し、
増産のための自動化を成し遂げて、
市場の急速な変化に素早く対応。

宇野 哲広Uno Tetsuhiro

プロセス技術本部 工務部 機械担当
機械工学部機械知能システム工学専攻修了
2007年入社

日本電気硝子は、生産設備の大半を自社で開発している。独自の製品を生み出すためには独自の製造プロセスが必要で、それを実現する設備はいずれもまだ世の中に存在していないからだ。開発した設備は、絶えず改善を繰り返し、リードタイムの短縮や良品率の向上などが図られていく。先人たちが心血を注いで実現させてきた設備の数々は、日本電気硝子の独自のノウハウそのものだ。近年では、機械化は難しいとされてきた高度な作業の自動化などにも大きな力が注がれている。宇野も、大学院で専攻した機械知能システム工学の知識を活かし、入社以来、数々の自動化設備を担当。2016年には、わずか6か月後という短期間で、数々の難問が立ちはだかる粉体製品・梱包工程の自動化を成し遂げた。

設備稼働まで残り6か月

人が担っていた複雑な作業を、
6か月で自動化するという難題に挑戦。

2016年4月、宇野は新たに、電子部品事業部から依頼のあった粉体製品の梱包工程の自動化を担当することになった。「ある用途の市場に動きがあり出荷量が大きく伸びている。課題は梱包工程で、作業者の慣れの程度によって所要時間がバラつくため、このままでは出荷量の増加に対応できない。6か月後をめどに自動化を図りたい」というのが、事業部の要望だった。
宇野は早速、インターネットや展示会を通じ、目的に合った市販の設備がないか調査した。結果は危惧した通り、いずれも一長一短だった。扱う粉体ガラスは10種類以上あり、それぞれ流動性、かさ比重などの特性が異なることから、カスタマイズも困難と推測された。しかも、試みに設備メーカーに必要なスペースを問い合わせてみると、確保できるスペースの3倍もの数字が返ってきた。この時点で、市販設備の活用は断念せざるを得なかった。
その後は自社開発を前提に調査検討を続け、設計課題を整理していった。特に、《1.どんな特性の粉体ガラスでも、数g内の誤差で1kg、2kgといった分量を梱包容器内に自動供給できる仕組みを作ること 2.全体を通常の1/3程度の4m×3mのスペースに収めること》という2つの課題は、難航が予想された。

設備稼働まで残り5か月

時間との競争で設計を練り上げる。
高い機能を超・省スペースで実現するために。

月が変わった5月から設計に取り組み始めた。設備の製作に2か月、試運転と問題点の解決に1か月はかかることが予想されるため、2か月で設計を仕上げなければならない。高度な集中力が必要だった。
自動供給の仕組みづくりはやはり難問だった。人が作業する場合は計量器が示す数値を見ながらスプーンで微調整することができるが、機械では入れ過ぎると後戻りが効かない。粉体を自動供給する一般的な方法を調べ上げ、それを参考に最適な供給方法を模索。特性の違いによるバラつきを回避する方法も考え抜いた。もちろんテストも必要であったため、テスト環境を求めて遠方の装置メーカーにも度々足を伸ばした。
こうして1か月で機器の構成には何とか目処がついた。しかし、さらに困難を極めたのがスペースの制限をクリアすることだった。この時点で、設計に残された時間はわずか1か月となっていた。設備レイアウトは作業のしやすさにも大きく影響するため製造部とも綿密にディスカッションを繰り返し、上下方向の空間もフル活用した3次元的なレイアウト案を10パターン以上練り直した。作業を担う製造部が細部にわたって忌憚のない意見を述べてくれたことで発想が刺激され、短期間に次々とブラッシュアップを重ねられたのはありがたかった。安易に妥協せず時間切れ寸前まで粘り抜き、最終的に、コンパクトで作業もしやすい理想的なレイアウトにたどり着くことができた。

設備が稼働してから2か月

大切なのはやり遂げようという強い意志。
集中力を持続させ2か月で安定稼働を実現。

予定通り2か月で設計を終えることができ、7月に装置メーカーに発注。できる限り製作の現場に立ち会い、図面通りにいかないところを助言したり作ってみて初めてわかる不都合をその場で修正したりしてスピードアップを図った。
努力の甲斐あって9月に完成、すぐに試運転を開始した。すると、ほぼ1割の確率で重量が想定範囲内に収まらないケースが生じる。制御の担当者とともに何度も試運転を繰り返し、原因を突き止めて、粉体を供給する装置にソフト・ハードの両面からの改善を加えることで、どうにか解決することができた。
こうして予定通り10月に設備が稼働、初の出荷を迎えることができた。一から手がけた設備が目の前で動きモノを生産する様を見るのは、何度経験しても感動的だ。しかし、実はこれはまだゴールではない。どんな設備も安定稼働までには新たな苦労が待ち受けているからだ。今回もやはり、試運転で改善できたはずだった課題が再燃。極めて限られたスペースに、10品種以上の特性の異なる粉体に対応できる供給装置を実現することの難しさが、改めて宇野を苦しめた。ときには心が折れそうになりながらも、製造担当者と協力し合い、一つひとつ改善を重ねて、問題が起こる確率をジリジリと下げ、2か月後ついに課題克服を成し遂げた。
「よくやってくれた」。設備の価値を最もよく知る製造部門から起こった称賛の声は、さらなる自動化への想いを支えてくれるうれしい成果として、今も宇野の心に深く刻まれている。